

こだわりたいところをこだわり抜いた家
オーナーである川口和之さんと咲喜さんは、自然体で飾らないご夫婦だった。お子さんと猫がのびのびと動き回る様子や、ご夫婦がリビングで笑い合う姿から、この家での時間がいかに豊かであるかが伝わってきた。家づくりにおいて、ご夫婦が一番こだわったのはキッチンだ。「長久手のモデルハウスのキッチンが素敵すぎて、どうしたらそれに近づけられるかをずっと考えていました」と咲喜さん。間取りも、キッチンを中心に組み立てられたと言ってもいいほど。釣りが趣味の和之さんが釣ってきた魚を外のシンクで洗い、ガレージを通ってキッチンへ。ストレスなく移動し、魚を捌ける動線設計により、新鮮で美味しい魚を家族で食べられる快適さを叶えた。
また、ご夫婦とも背が高いため、調理のしやすさを考えてキッチンの高さも調整。さばきやすく、動きやすく、そして美しく。妥協せずに仕上げた空間が、家族の暮らしの中心になっている。さらに、和之さんの趣味を詰め込んだガレージは、この家の大きな特徴のひとつ。「おもちゃ箱のような感じで使っています」と話すように、釣具やキャンプ道具、カヤック、バイク、3Dプリンターなど、好きなものを収納し、没頭できる空間が広がっている。


どんどん楽しくなる家づくり
川口さんご夫妻が家づくりを考え始めたのは、結婚式を終えたタイミング。お子さんの誕生を控え、家族としての新たな暮らし方を模索する中で、インターネットで偶然見つけたのがアイジースタイルハウスだった。「塗り壁しかやらない」という明快なスタンスや、自然素材への強いこだわり。そして、実際にモデルハウスを訪ねたときに感じた「空気の違い」。それらすべてが、和之さんの直感に響いたという。「設計士さんと話したかったんです」と語る和之さんにとって、設計担当者の柔軟で親身な対応は心強かった。理想を言葉にすることが難しい部分も上手に引き出してくれたおかげで、家づくりがどんどん楽しくなっていったという。もちろん、すべてがスムーズだったわけではない。好みや重視するポイントが異なるご夫婦だからこそ、打ち合わせを重ねる中で意見がぶつかることもあった。それでも、設計・営業などの各担当者が丁寧に間に入ってくれたことで、一つひとつの課題を乗り越えていくことができたそうだ。


家全体に満ちる自然素材の心地よさ
住み始めて感じたのは、この家が放つ“空気感”だった。夏はジメジメせず、冬は暖かい。エアコン一台で家中が快適な温度に保たれるその性能に、最初は驚かされたという。「外から帰ってくると、空気が違うなって実感します。湿気も感じにくいし、真夏でもさらっとしてる。友達が来ても『なんか居心地いいね』って言ってくれるんです」と早紀さん。この心地よさの背景には、断熱性や気密性だけでなく、無垢材や塗り壁といった自然素材の力も大きい。素材そのものが呼吸することで、空間全体に“生きている”ような感覚が生まれている。さらに特筆すべきは、暮らしの中で自然と「整う」感覚があること。物が多すぎず、空間の一つひとつに役割があり、それでいて堅苦しくない。「無理なく、心地よく」が、この家全体に流れているリズムとなっている。



家族で育む“地球品質”な暮らし
「家を建てたことで、暮らしが丁寧になった気がします」と咲喜さん。食材を選ぶときの意識が変わったり、調味料を自家製にしてみたり。日々の選択ひとつひとつに、家という土台が確かに影響を与えているのだと実感しているという。また、和之さんはこう語る。「人も木も、地球上に生きているもの。だから、木を生かして家をつくるというのは、人の努力や想いが詰まっているものだと思ったんです。断熱や壁の構造ひとつ取っても、“どうしたらよりよくなるか”を徹底的に考え抜いた家なんだと感じました。それが“人が人のために”という意味での地球品質なのかもしれません」。この家に流れるやわらかな空気と、ご夫婦が育んできた暮らしのあり方。そのどちらからも、“地球品質”という価値観が静かに伝わってくる。