自由と余白が生む、暮らしの伸びやかさ

レンガタイルの壁にロの字型のライティングレール、剥き出しの木の梁と漆喰に包まれた、開放感あふれる吹き抜けリビング。無骨なインダストリアルの趣に、自然素材のやわらかさが溶け合い、心地よい緊張感とやすらぎが同居する空間だ。「やりたいことを自分で自由に足していけるように」と、必要以上に作り込みすぎず、あえて余白を残した設計。住みながら手を加え、暮らしとともに育っていく、そんな未来を描いた家だ。
ここに暮らすのは、有賀康敏さん・実里さんご夫妻と、お子さんの亮介くん、花ちゃん。にぎやかな4人家族の日常の中に、ていねいに手をかける楽しさや、自然とともに過ごす心地よさが、静かに息づいている。
庭づくりやDIY、インテリアの調整など、“手を加える”ことそのものが康敏さんの楽しみのひとつ。気がつけば、とにかく動いている。何かをつくっている。土をいじっている。せわしないけれど、いつでも楽しそう。そうした時間が、この家での暮らしの一部として味わいになっている。

ふたりの好きを重ねた家

インダストリアルな空間に憧れていた康敏さんと、ナチュラルでシンプルな暮らしを望んでいた実里さん。好みも性格もまるで違うふたりの「好き」が、見事に調和した家。素材や色の組み合わせ、空間の設えは、自由度の高いアイジースタイルハウスだからこそ叶えられたという。実里さんの希望でスッキリと仕上げたキッチンも、タイルの質感や最小限の収納にこだわり、「あまり物を置きたくない」という想いが形になっている。
切妻屋根を活かして、より高くした天井も、吹抜の空間に設えたライティングレールも、ご主人のインダストリアル愛が込められている。決まりきった正解ではなく、自分たちの「好き」を積み重ねていく。その姿勢が、暮らしの心地よさをかたちづくっている。
そしてもうひとつ、この家の印象を形作っているのが、“質感”のバランスだ。レンガ、アルミ、木、漆喰、そして至る所に目にする緑。それぞれ異なる素材がぶつかることなく共鳴し合い、空間に深みと柔らかさを生み出す。見た目のスタイルだけでなく、手ざわりや空気感までを含めて、自分たちらしい暮らしをデザインされている。

小さな気づきが生まれる暮らしへ

住まいが変わると、暮らしが変わる。そして、暮らしの質が変わると、見える景色までもが変わってくる。「この家を建てて、我が家が癒しになったのがうれしいです。あとは、夫がやりたいことを自由に制限なく、いろいろできるようになったのがよかったなって思います。私自身も『花が咲いたな』とか、小さな変化に気がついて感動する心の余裕が生まれましたね」
そう話してくれた実里さんの言葉には、住まいと心の関係がそのままに表れている。自然のなかに身を置いて暮らすことは、日々のスピードをほんの少しゆるめてくれる。植物の育ち方、光の差し込み方、風の匂い、そうした些細な変化に目を留められるようになったのは、心に余白が生まれたからかもしれない。家がただの“住む場所”ではなく、感覚をひらく“感じる場所”になる。そんな実感が、この家の暮らしには随所にあるのだと思う。

家も人も未完成だから変えられる

有賀さんご夫妻の家を取材していて強く感じたのは、「家は建てた瞬間に完成するものではない」という価値観だった。暮らしながら手を加え、味わいを重ねていく。そのプロセスそのものが、この住まいの魅力を育てている。「“経年美化”という考えがすごくいいなと思ったんです」と話すのは実里さん。日々の暮らしの中で家が少しずつ変化し、深まっていくことに喜びを感じている。だから、最初から完璧である必要はない。むしろ、未完成であることにこそ、暮らしの余白と可能性が詰まっているのかもしれない。
康敏さんも、「自分が草花を愛でるようになるとは思っていなかった」と、住んでから芽生えた変化を実感している。「きっと自分の中にも、もともとそういう自然に対する気持ちがあったのかもしれない。アイジースタイルハウスの“地球品質”に気づかされたような気がします」と、穏やかに語ってくれた。素材の手ざわり、空気の質感、暮らしのリズム、そうした“感じる力”が、いつの間にか呼び起こされていく。住まいとは、ただ住むための器ではなく、本来の生き方へと導いてくれる存在なのだと思わせる家だった。

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